「ビジネスマンの間で大学院がブーム?」2004年9月13日(月)msnのトップページ記事より夫が社会人学生なので目にとまった記事です。 ビジネスマンの間で大学院がブーム? 2004年9月8日 専門分野を本格的に勉強しようと、大学院で学ぶ社会人が増えています。夜間開講やサテライト・キャンパス、通信制など社会人が学びやすい環境が整ってきているとか。スキルは大学院で磨く時代? -------------------------------------------------------------------------------- ■ 大学院で学ぶビジネスマンが増えている! バブル時代には、エリートビジネスマンが欧米の大学院に留学してMBA(経営学修士)を取得することが流行していました。今は不況で、企業派遣で大学院に留学・進学する人は少なくなっているようです。しかし、国内の大学院で学ぶ社会人は増えています。平成16年度(速報値)の「学校基本調査」(文部科学省)では、大学院修士課程入学者のうち25歳以上の社会人が21%を占めています。中でも30~34歳が3,245人と25歳以上の年齢層では一番多く、30代が意欲的に入学しているようです。 多忙なビジネスマンが時間とお金をやりくりして大学院で学ぼうとしている背景には、日本の企業において雇用や社内教育など人事システムが変化していることが挙げられます。IT化やグローバル化など急激な社会の変化に、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)中心の経験主義的な社内教育だけでは対応しきれなくなり、企業は能力のある即戦力の人間を求め、有能な人材を高給で雇用するという実力主義の時代になっています。雇用が流動化しているのに、社員の能力開発のために投資することは企業にとってリスクがあり、また資金的余裕もないのが現実でしょう。 終身雇用や年功序列の人事システムが崩壊しているのですから、一人一人が自分の能力を高めていく努力をしていかないと、キャリアアップは望めません。そうした危機感から、「専門分野を本格的に学びたい」「社外でも通用する力をつけたい」と、大学院に進学する社会人が増えているようです。 ■ 時代のニーズで大学院も様変わりしている! 従来の日本の大学院は研究者の養成機関として機能していましたが、1986年の臨時教育審議会の答申で「高度専門職の養成と研修の場」としての役割が提示されました。この答申をきっかけに、文部省は社会人が大学院で学びやすい環境を整備するため、次のようなさまざまな規制緩和を行ってきました。 ◆ 開講時間の自由化 社会人が受講しやすいように、昼夜開講制大学院や夜間大学院が認められ、夜間や休日に開講する大学院が数多くあります。 ◆ 社会人特別選抜入試制度 多くの大学院では特別枠で社会人を選抜。基礎科目や専門科目の筆記試験の代わりに、研究計画書、小論文、面接などで審査が行われる場合が多いようです。社会人にとって、入試の負担が軽くなっています。 ◆ 通信制大学院 高校や大学だけでなく大学院にも通信制が許可され、日本大学大学院総合社会情報研究科などがあり、2001年3月には最初の修了生が出ました。 ◆ 修業年限の弾力化 従来の修業年限は修士課程2年ですが、最短1年で修了することができるようになりました。法政大学大学院イノベーション・マネジメント研究科など1年制修士課程が誕生しています。 ◆ 専門職大学院 昨年施行された「改正学校教育法」によってできた、専門性の高い職業人を育てることを目的とした大学院。法曹、ビジネス、医療などの分野で設置できます。今年4月に一斉にスタートした「法科大学院」=ロースクールが、この専門職大学院に当たります。そのほか「会計大学院」=アカウンティングスクールなどがあります。 こうした文部科学省の大学院改革の流れと併行して、大学側も少子高齢化による経営難を乗り切るために、社会人に学びの場を提供することが重要になっています。そのため、社会人が通いやすい都心やターミナル駅周辺にサテライト・キャンパスを設けている大学院が数多くあります。 社会人にとって大学院は“受験しやすく、通いやすく、学びやすい”環境に急速に変化しているようです。 ■ 費用対効果はあるのか? “受験しやすく、通いやすく、学びやすい”と言っても、働きながら学ぶのは並大抵のことではありません。また、かかる費用も入学金と年間授業料(初年度)で100万~200万円程度とハンパな金額ではありません。 「大学院に入学してMBAを取れば、夢に描いたようなキャリアアップができる」と安易に考えていると、「こんなはずではなかった」と挫折したり、後悔したりすることになります。それでは大金をドブに捨てるようなものです。 大学院生活を成功させるには、入学前の準備が重要です。まず、当然のことですが自分が何を学びたいのかテーマをはっきり決めること。そして、学びたいテーマに合ったカリキュラムや指導教官がいる大学院を選ぶこと。いわゆる有名大学の大学院を選びがちになりますが、自分の将来に役立つ勉強ができなければ意味がありません。起業のノウハウなど実践的な早稲田大学院、ゼネラリスト養成の慶応大学院など、それぞれ大学院によって特徴があるので、事前の調査が大切なのです。また、大学院での勉強に備えて、基礎学力をブラッシュアップしておくことも必要でしょう。学資を貯めておくことも忘れてはいけません。 もし事前準備の段階で、大学院のハードルが高い、続けられるかどうか不安と思えば、興味のある分野の大学の公開講座を受講してみるのも一方法です。働きながら学ぶ実感をつかみ、続けられるかどうか判断すれば、挫折するリスクは少なくなります。大阪の梅田大学院コンソーシアム(準備会)では、関西の14大学が公開講座を開講しています。 では、希望通りの大学院に入学し、残業もそこそこにキャンパスに駆けつけ、帰宅してからも深夜まで猛勉強をして、めでたく修士を取得できたとして、キャリアアップにつなげられるのでしょうか? 日本の企業の多くでは、大学院修了の学歴が昇進や中途採用に直接結びつくわけではありません。しかし、大学院修了者からは「論理的主張ができるようになった」「難題が出ても処理できる自信がついた」「大学院の仲間のネットワークが財産」という声が上がっています。 たとえ今は大学院で学んだことを直接仕事に活かせなくても、目的意識をもって専門知識を学ぶ方法論が身に付けば、これから社会がどう変化していこうと、対応していけるのではないでしょうか。そのように考えれば、大学院の学資は自分への投資として十分な効果があるのではないでしょうか。 参考: 「社会人大学院で何を学ぶか」(岩波アクティブ新書) 「社会人大学院へ行こう」(生活人新書) フリーライター 関口章子 提供:株式会社FP総研 ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|